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余録

外交儀礼をプロトコールと…

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 外交儀礼をプロトコールという。外務省で国賓の接遇をした寺西千代子(てらにしちよこ)さんによると、日本側の接遇で相手側が驚くのは時間の正確さへのこだわりだった。だが賓客はそもそも時間の観念が違う(「プロトコールとは何か」文春新書)▲来日時には2時間40分も到着が遅れたプーチン露大統領が日本側の裏方をあわてさせたのは想像に難くない。しかし外国要人との会見では遅刻は常習というご当人で、今までローマ法王や英エリザベス女王、メルケル独首相ら多くの元首や首相を待たせてきたという▲今回の遅刻の理由はシリア情勢だという。そういえばシリアではロシアの支援するアサド政権軍がアレッポを制圧した。また親露といわれる米次期政権の国務長官に自らと親しい人物が選ばれたばかりだった。このところプーチン氏には追い風が吹く国際環境である▲安倍晋三(あべしんぞう)首相の地元の温泉地にプーチン大統領を招いて行った16回目の両者の会談だった。日本側に領土問題の進展と平和条約交渉に向けた期待が高まったのは当然だが、合意できたのは北方領土での日露共同経済活動への協議開始や元島民の往来拡充の検討だった▲こと領土問題ではむしろかたくなな姿勢を印象づけたプーチン氏である。もしやトランプ米政権誕生による国際政治の地殻変動まで見越しての対日交渉だったのか。時あたかも世界で影響力のある人物のトップに4年連続プーチン氏が選ばれたとのニュースが流れた▲経済協力や北方四島での共同経済活動による相互信頼醸成はなるほど日露関係打開の数少ない選択肢だろう。時間にこだわる日本外交にはつらい局面である。

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