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ニッポンへの発言

キーワード 2016年とは何だったか?=中森明夫

 2016年が終わる。けっこう大変な年だった。去年の今ごろはまさかSMAPが解散するとか、天皇陛下が退位の意向を表明されるとか、ドナルド・トランプがアメリカ大統領になるなんて想像もしなかった。さまざまな年末回顧がなされるだろうが、芸能エンタメを起点に考えてみたい。

 今年の最大ヒット作は映画「君の名は。」だ。興行収入200億円突破! 「千と千尋の神隠し」に次いで歴代邦画2位だ。中国でも公開され爆発的にヒットしている。新海誠監督は自主制作アニメーションから出発したカルト的な人気作家だ。これまで興収1・5億円が最高というから、いかに大化けしたことか? 大手の東宝が製作、ヒットメーカー・川村元気がプロデュースしたことが勝因とも言われる。その川村Pに先ごろ、私はインタビューした。「君の名は。」は興収15億をめざし、ケタが違う大ヒットになったのは彼にとっても予想外だったという。川村元気も予想できない大ヒットを生み出したのは、お客さんがすごいんじゃないか?と訊(き)くと「観客は本当に恐ろしい」と彼は言う。「個々では間違ったことを言っているように見えて、1万人レベルになると急に全体としてある正解を描く--でもそこと戦うのが最強にクリエーティブな瞬間」だと。自分の仕事は「大衆の集合的無意識にアクセスすること」とも言う。実に示唆的な見解だ。

 エンターテインメントは作品のみで自立しない。受け手(観客)との相互関係で成立する。同じ作品が、時代…

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