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SUNDAY LIBRARY

武田 砂鉄・評『月刊佐藤純子』佐藤ジュンコ・著

◆『月刊佐藤純子』佐藤ジュンコ・著(ちくま文庫/税抜き950円)

 わいわい騒いで、じゃあまた、と別れた後、ふと、この人たちとあとどれくらい会えるんだろう、なんて考える。そんなのはわかるはずもないし、わからないから楽しい、という気もする。

 仙台の書店に勤務しながら、自由気ままなペースで刊行してきた手描きマンガのフリーペーパー「月刊佐藤純子」が、文庫版でまとまった。ジュンコさんは、とにかくたくさんの人と会う。食べて飲んで、いろんな話をする。そして考える。悩む。わかんなくなって、妄想に励む。自分の脳みそは8割方「どうでもいいこと」でできていて、残りは「どうにもならないこと」でできているという著者が描く、日々のチグハグが愛(いと)おしい。

 そんな日々が450ページも積もっていく。喜怒哀楽のすべてを噛(か)み締めるジュンコさんの道程を追っていると、「誰かに会いに行こう」という気分が高まる。それは読後感としてなんとも不思議な感覚なのだが、どこかへ行って、久しぶりの誰かに会って、話をしたくなる。

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