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SUNDAY LIBRARY

池内 紀・評『水屋・水塚 水防の知恵と住まい』

◆『水屋・水塚 水防の知恵と住まい』渡邉裕之、畔柳昭雄、河合孝、高橋裕・著(LIXIL出版/税抜き1800円)

 水屋(みずや)、水塚(みずづか)とは聞きなれない言葉だが、はじめに字解がつけてある。「水害から命や財産を守るために、高く盛土(もりど)した上に建てた避難小屋」のこと。ここでは利根川以西の十三の川にわたり、多くの写真とともに「水防の知恵」がまとめてある。言葉が聞きなれないのは幸せだ。かつては半鐘が打ち鳴らされ、「切れたぞ!」の叫びがあがり、人々は血相かえて水屋、水塚へ駆けあがった。

 はじめに岐阜県・木曽三川(さんせん)地域。巨大な水界をかかえ、くり返し洪水にみまわれてきた。木曽川、長良川、楫斐(いび)川の三つの大きな川が合流するように近寄って伊勢湾に注ぐ。そんな自然条件に加えて、政治的要因があった。江戸幕府は尾張藩優先で水防対策をした。ひとたび増水すれば水勢を反対側に走らせる。三川地域の地主、農民は自衛のため、集落のまわりを堤で囲った。いうところの「輪中(わじゅう)」である…

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