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余録

日本で初めてクリスマスツリーを飾ったのは…

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 日本で初めてクリスマスツリーを飾ったのはプロイセン公使オイレンブルクで、1860年のことだった。植木屋で仕入れた天井まで届くほどの木に、オレンジや梨、華やかな紙の装飾、精巧な砂糖菓子やロウソクを飾ったのだった▲クリスマスツリーはドイツから世界に広まり、プロイセンの首都ベルリンではすでに19世紀初めに飾られていた。そのツリーの飾りやお菓子などを売るクリスマス市(いち)もニュルンベルクやベルリンなど各地の名物となってきた(若(わか)林(ばやし)ひとみ著「クリスマスの文化史」)▲今は市内にいくつものクリスマス市が立つというベルリンだが、その中心部の教会広場前での惨事だった。立ち並ぶ露店に大型トラックが突っ込み、死者12人、負傷者多数が出たというのだ。犯行に使われた大型トラックは盗難車らしく、同乗の男性は死亡していた▲こう聞けば誰しも今夏、仏ニースで花火見物の群衆にトラックが突っ込んだテロを思い出す。「意図的攻撃をうかがわせる」とは独内相で、テロの可能性が大きい。とすれば、クリスマスで華やぐ人々のにぎわいも犯人には「ソフトターゲット」に過ぎなかったのか▲犯人をめぐる情報は錯綜(さくそう)しているが、もし難民がからんでいれば、メルケル首相の難民受け入れに反発する独国内の世論を勢いづけよう。およそテロが恐怖によって人の心の支配を狙うものならば、もたらされる独社会の分裂と混乱はその注文通りということになる▲夜の一番長い季節、人を思いやる優しさを呼び起こすクリスマスだ。どんな理不尽(りふじん)な悪意にもたじろがないで過ごす聖夜も「テロとの戦い」となった今日である。

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