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考・皇室

退位特例法案は立法の理由に「国民の理解と共感」を書き込んだ。象徴天皇制とは社会のあり方と離れて皇室は存在できないという考え方だ。社会と皇室の関係を探る。

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憲法と歩む/1(その1) 宮内庁長官 おことば案、昨秋官邸に 昨年末公表見送り

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 天皇陛下の退位の意向について、風岡典之・宮内庁長官(当時)が2015年秋、官邸に対して正式に伝えていたことが明らかになった。陛下のおことば原案を文書で示し、同年12月の天皇誕生日に合わせた記者会見での公表を打診したが、官邸との調整がつかず、公表が見送られた。

 原案は公表を前提とした文章形式になっており、象徴としての公務をどのように考えるかが記され、そうした公務は天皇しかできないため公務ができなくなれば退位するという内容。「摂政では対応できない」とする意向も盛り込まれていた。宮内庁は15年4月の参与らの集まる会議でおことば原案を提示しているが、この時は箇条書きで要点を記したものだった。宮内庁はこの時点では官邸に正式には伝えていないという。

 陛下は10年7月に参与会議で「80歳までは天皇を務める」として退位の意向を示された。81歳の誕生日を迎えた14年12月の記者会見では、それまで言及していた「従来通りに公務を続ける」という趣旨の発言がなくなった。宮内庁元幹部は「陛下の高齢が進んで緊急性が高まったため」と説明する。これを受け15年からおことば案の検討に入り、安全保障関連法の成立後の15年秋に官邸に伝えた。

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