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時代の風

グローバル化と危機=増田寛也・元総務相

=徳野仁子撮影

 初めてフランクルの「夜と霧」を読んだのは高校生の時だった。ナチス強制収容所という極限状態の中での人間の尊厳の描写に、深い感動を覚えた。ナチスの崩壊から25年後の1970年、ポーランドの首都ワルシャワのゲットー(ユダヤ人居住区)の記念碑の前には、ひざまずいて黙とうする旧西ドイツ、ブラント首相の姿があった。筆者も「夜と霧」を読み終えた直後で、加害国の指導者とはかくあるものかと衝撃を受け、その映像を覚えている。政治的意図が込められているにせよ、国の指導者がひざまずいて過去の歴史に向き合い謝罪する予想外の姿に、世界中が驚いた。

 明日、安倍晋三首相が真珠湾を訪問する。これで積年の課題を解消する。オバマ大統領の広島訪問は、米国内に反対論があった。日本の現職首相が長らく真珠湾を訪問しなかったのも、戦争責任や謝罪につながることを警戒したためである。そのため、今回訪問の意味について安倍首相は、慰霊のための訪問、不戦の決意の表明、日米の和解の価値と同盟強化の意義の発信と述べている。トランプ政権が発足する前のこの時期に、日米間の強い…

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