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号外首相、緊急事態宣言へ 新型コロナ
熱砂のかなたに

未来、つかみ取れ

病を抱える父(36)に代わり、8人きょうだいの長兄で11歳から一家の大黒柱として働くシャヘル・ジアードさん(13)の両手。勤務先の建築事務所ではペンキ塗りも手伝うため、こびり付いた汚れは洗っても落ちない。1カ月働いても30ヨルダン・ディナール(約4500円)ほどしか稼げず、一家は家賃未払いでアパートを追い出されたばかりだ。シャヘルさんは「数学が得意だったけど、ヨルダンでは一度も学校に行っていません。もう学ぶことは諦めました。病気の父の力になれてうれしい。妹や弟のために、もっとたくましい人間になりたい」と話し、疲れた表情を緩ませた。=ヨルダン・アンマンで

 <2016 世界子ども救援キャンペーン ~ヨルダンのシリア難民>

 内戦の影響でヨルダンに逃れたシリア難民の半数は子どもたち。仕事に追われたり、授業についていけず学校から遠ざかったりするケースが多い。将来シリアに平和が訪れた時、こうした子どもたちが「ロストジェネレーション」(失われた世代)となり、国を立て直す人材が不足する恐れも指摘されている。一方で逆境にも負けず、奮闘する若者たちもいる。<文・津久井達/写真・久保玲>

 ヨルダン・ザルカにあるビルの地下で、子どもたちの熱のこもったせりふが飛び交っていた。数グループに分かれ、自分たちのアイデアを脚本にした演劇の練習に取り組む。日本のNGOが子どもたちのトラウマを取り除くために企画したワークショップだ。

 身長が160センチあり、民族衣装のヘジャブからのぞく切れ長の瞳がひときわ大人びて見えるドハ・ムハンマドさん(15)は、浮かない表情をしていた。「彼女は他人に溶け込むことが苦手。自分の思いを吐き出すのをためらってしまうの」。女性スタッフが心配そうに見つめた。

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