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混沌たる世界を問う

/1 変質容易な「液状社会」 ジャック・アタリ氏(思想家、経済学者)

ジャック・アタリ氏=賀有勇撮影

 欧州連合(EU)離脱を決めた英国、大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利した米国が示すように、世界ではグローバリズムを拒絶し、保護主義を好む傾向が広がっている。また、欧州や混迷を深める中東などで相次ぐテロは、一瞬で現状を変化させる。日本もテロに見舞われれば、排外主義的な政府が誕生しうる。我々の住む現代社会は変質しやすく、液体のように極めて流動的な「液状社会」となったと言える。

 米国などで保護主義が高まる背景には、経済市場は世界規模だが、民主主義は世界を包括する規模ではなく政治が国家単位にとどまることがある。各国の選挙で選ばれた指導者は国境のないグローバル市場を変えられず、国内に生じたひずみに対処できない。富の一極集中で格差是正は不可能となり、失業や格差にあえぐ人々の不満が増大する。

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