連載

混沌たる世界を問う

テロや内戦、ポピュリズムの大波にうたれ、2017年を迎えた混沌(こんとん)たる世界。我々はどこに向かうのか。各国の知性に問うた。

連載一覧

混沌たる世界を問う

/2 複数の大国、共存せよ アンドルー・バセビッチ氏(ボストン大教授、国際関係史家)

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 米国は世界で最も力がある国だが、唯一の超大国との認識は間違っている。中国は急速に力をつけている。21世紀の国際政治は、こうした力のある国々が平和的に共存する道を探ることが最重要課題となる。ただ次期米大統領のドナルド・トランプ氏に、そうした認識があるか疑わしい。トランプ氏の最大の特徴は主張に一貫性がないことだ。月曜日に言ったことと全く逆のことを水曜日に言う。それが矛盾であることすら気がついてない。オバマ大統領が進めた医療制度改革や、尋問手段に拷問を復活させる案も覆している。外交政策も予測不能だ。

 トランプ氏は、北大西洋条約機構(NATO)の変更も示唆している。歴代の米政権はNATO諸国に負担増を求め続けており、トランプ氏の「安保ただ乗り」批判論は、目新しくはない。個人的には、米国は欧州から撤退すべきだと思う。NATO発足は第二次世界大戦直後の1949年。欧州は豊かになり、米国と東西冷戦を戦った超大国ソ連は、地域大国ロシアになった。状況は変わった。ただ、NATO諸国に侵攻することは許さない…

この記事は有料記事です。

残り659文字(全文1109文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集