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論の周辺

草の根の歴史を掘り起こす

 社会運動論の専門家、道場親信さんの著書『下丸子文化集団とその時代』(みすず書房)が出版された。著者は戦後社会運動に関する研究の中心的な担い手だったが、昨年9月中旬に49歳の若さで亡くなった。闘病中であることを記したあとがきは9月に書かれており、執筆は死の間際まで続けられたことになる。

 副題は「一九五〇年代サークル文化運動の光芒(こうぼう)」。サークル文化運動とは、市民が職場や地域で文学、美術、音楽、演劇などの活動に取り組んだもので、戦後に活発化した左派の政治運動とも結び付いていた。手作りの雑誌などが多く出され、さまざまな催しが開かれた。しかし、一つ一つは小規模で、短期しか続かない場合も多く、資料は散逸しやすかった。1950年代に混乱を重ねた政治党派の動きの文脈で捉えられがちなことも、研究対象になりにくい理由だったと思われる。

 遺著となった本は、東京の南部(大田、品川、港各区)で当時、際立った運動を展開した下丸子文化集団という地域サークルに焦点を当てている。読むと、その歴史を埋もれさせてはならないという著者の使命感が伝わってくる。

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