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上毛かるた70年

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上毛かるた70年

異聞見聞録/5 「や」 耶馬溪しのぐ吾妻峡 上流4分の1水没の運命 /群馬

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吾妻川の両岸で進む八ッ場ダム本体工事。来年中にも高さ116メートルの堤体が姿を現す。ここから上流にある川原湯温泉は高所に移転した=長野原町で
吾妻川の両岸で進む八ッ場ダム本体工事。来年中にも高さ116メートルの堤体が姿を現す。ここから上流にある川原湯温泉は高所に移転した=長野原町で

「いつまでも」-牧水の思い断つダム計画

 私はどうかこの渓間の林がいつまでもいつまでもこの寂びと深みとを湛(たた)えて永久に茂つてゐて呉(く)れることを心から祈るものである。ほんとに土地の有志家といはず群馬縣(けん)の當局者(とうきょくしゃ)といはず、どうか私と同じ心でこのさう廣大(こうだい)でもない森林のために永久の愛護者となつてほしいものである。

 歌人、若山牧水(1885~1928年)は紀行文「静かなる旅をゆきつゝ」の中で、吾妻渓谷(長野原町、東吾妻町)への思いをこう記した。しかし、その願いもむなしく、100年近くたった今、渓谷には、八ッ場ダムの建設工事に伴い24時間体制で槌音が響く。山肌は削られ、昨年6月にはコンクリートが流し込まれた。

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