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毎日新聞朝刊1面の看板コラム「余録」。▲で段落を区切り、日々の出来事・ニュースを多彩に切り取ります。

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恐喝を英語でブラックメール(blackmail)という…

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 恐喝を英語でブラックメール(blackmail)という。字面(じづら)通り訳せば「黒い郵便物」だから、いかにも金品をゆする脅迫状を思わせる。だがもともとこのメールは手紙ではなく古い英語やスコットランド語で地代や貢納金を意味する言葉だった▲ブラックメールはその昔、スコットランドとの国境に住む農民が盗賊に納めた貢納品だそうだ。地主に銀貨で納める地代はホワイトメール、略奪せずに保護してもらうよう盗賊に貢いだ黒牛がブラックメールだったという▲さて、こちらはブラックメールならぬブラックツイッターというべきなのか。米日の自動車メーカーに対し米国外で生産した車には高関税をかけるぞと脅し、国内生産を求めるトランプ氏のツイッター攻勢である。次期米大統領の企業活動へのこれ見よがしの圧力だ▲先ごろ米フォードがメキシコでの生産計画を撤回した背景には、工場の国外移転を批判するトランプ氏の意向があったと思われている。そこで米GMやトヨタに放たれたブラックツイッターだった。トヨタのメキシコの工場建設計画には「あり得ない!」と恫喝(どうかつ)した▲言うような高関税は今の貿易協定では違法だが、国際的なルールは意に介さないトランプ氏である。企業経営への政治介入が金の卵を産むガチョウの腹を裂く愚行だといっても耳を貸すまい。全世界の企業の活動に予測不能なリスクをもたらす「米国第一」の暴走だ▲いやはや今後は外交や軍事においても粗暴なブラックツイッターが連発されるのか。国際社会での米国の威信が軍事力や経済力にもましてその精神的指導力にあった昔が今や夢のようである。

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