連載

舞台評

舞台芸術を批評します。

連載一覧

舞台評

寿初春大歌舞伎 立ち上る芝翫の決意と気概

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 大阪松竹座の寿初春大歌舞伎は八代目中村芝翫の襲名披露。名女形として知られた六代、七代とは方向を異にし、粗削りな魅力をたたえた立役(男役)として進もうとする新・芝翫。その決意と気概が舞台に立ち上る。

 芝翫がまず挑んだのは昼の部「梶原平三誉石切(ほまれのいしきり)」の梶原平三景時。平家方ながら源氏への思いを秘めた思慮深い武将だ。六郎太夫(中村東蔵)が売りに来た刀の目利き、二つ胴の試し斬りと見どころが続き、刀での石切りの場面は、手水鉢(ちょうずばち)を正面向きで二つに切り、間からぽんと出る羽左衛門型。柄が大きく颯爽(さっそう)とした芝翫の風姿が生きた。初役だが、回を重ねることで本心を隠す肚(はら)芸の深みが一層増していくだろう。六郎太夫に意志の強さと情があり、中村児太郎の娘梢が清楚(せい…

この記事は有料記事です。

残り521文字(全文867文字)

あわせて読みたい

注目の特集