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湯川豊・評 『夢の共有-文学と翻訳と映画のはざまで』=野崎歓・著

 (岩波書店・3456円)

魅力的な思考、小説の可能性模索

 本書『夢の共有』は、十九世紀ロマン派の奇才ジェラール・ド・ネルヴァルを核心に置いた、専門的な文学論考である。また同時に、刺戟(しげき)的な発想にみちた文学エッセイという局面があり、私はむろんのこと後者の局面から読み進んで、これを大いに楽しんだ。

 ネルヴァルが一八三九年に発表し、後に『幻視者たち』に「ビセートルの王様」という題で収録された短篇が…

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