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田中優子の江戸から見ると

法政大総長・田中優子さんのコラム。江戸から見る「東京」を、ものや人、風景から語ります。

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田中優子の江戸から見ると

トランプ氏と「徳」

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 いよいよトランプ米大統領就任である。上に立つ者はその「徳」や「義」によって人々の範となる、という考え方はどうやら米国にはないようで、強い者が勝つ、という道理を示したようだ。その結果、自分の強さを弱者に向かって示威する人が増えたと伝わってくる。

 江戸時代では論語が「君子」の導き手だった。君子とは高位高官の人であり政治をおこなう人を指すが、同時に学識と高い人格を備えた人を意味する。つまり政治をおこなう地位の高い人は人格者であって当然であり、そうあらねばならないという考え方が東アジアおよび江戸時代の日本の一般的な考えだった。むろん皆が皆そうであったとは言わないが、理想を持っていることと持っていないことでは雲泥…

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