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歴史散歩・時の手枕

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旧一津屋公会堂(大阪府摂津市) 住宅街に眠る「芝居小屋」

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旧一津屋公会堂の外観。大がかりな改修をすることなく今に至る=大阪府摂津市一津屋2の旧一津屋公会堂で、八重樫裕一撮影
旧一津屋公会堂の外観。大がかりな改修をすることなく今に至る=大阪府摂津市一津屋2の旧一津屋公会堂で、八重樫裕一撮影

 大阪府摂津市の淀川右岸の住宅街に「旧一津屋(ひとつや)公会堂」が建っている。大正時代に芝居小屋として造られ、たくさんの人が旅の一座や青年団の舞台を楽しんだという。桟敷席も備えた本格的なたたずまいは、かつての娯楽の殿堂の趣を漂わす。

 1913(大正2)年、地元の農家など約160世帯がお金を出し合って建てた。木造一部2階建て、延べ床面積296平方メートル。1階に舞台と客席、舞台袖に太鼓や三味線などを鳴らす黒御簾(みす)、2階に桟敷席。約250人を収容できる。建設費は分かっていないという。

 かつて一津屋地区には、戦国時代末頃からあるという河内と摂津を結ぶ淀川の「宮ノ下渡し」の船着き場があり、幹線道も通る交通の要所だった。芝居小屋は、もちろん地元住民の娯楽のため。併せて、人の往来が盛んで広く集客が見込め、興行を打ちやすい場所だったことも建設の理由に考えられている。

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