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若島正・評 『エラリー・クイーン 推理の芸術』=フランシス・M・ネヴィンズ著

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 (国書刊行会・3888円)

伝記ブームの真打ち、名探偵登場

 我が国で言うところの、いわゆる「本格」探偵小説の一大傑作として名高い、『Yの悲劇』を知らないミステリ愛好家はいないだろう。古今東西のミステリのベストを選ぶ企画では、つねに一、二を争うこの名作の作者、エラリー・クイーンの文字どおりすべてを描き、すでに邦訳のある評伝『エラリイ・クイーンの世界』の決定増補版としてこのたび訳出されたのが、自身もミステリ作家であり、またミステリ研究家として精力的な著作活動を続けてきた、フランシス・M・ネヴィンズの『エラリー・クイーン推理の芸術』である。

 アメリカの本格探偵小説史を彩る作家たちについては、これまでにも『別名S・S・ヴァン・ダイン ファイロ・ヴァンスを創造した男』や『ジョン・ディクスン・カー<奇蹟(きせき)を解く男>』が翻訳紹介されてきた。今回出たエラリー・クイーンの評伝は、そうした伝記ブームの流れの中でも、いわば真打ちあるいは名探偵の登場に等しい。

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