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華恵の本と私の物語

/6 12歳たちの伝説

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 となり教室きょうしつにかけこむと、窓際まどぎわりかかってはなしているエリとミカがんできた。クラスえをして一週間しゅうかんもたたないのに、すでになつかしい。わたしはいきらしながらはなしかけた。

    「ねぇ、説明聞せつめいきいた?」

     六年生ねんせい移動教室いどうきょうしつが、一か月後げつごひかえている。

     うん、とエリがうなずいた。

    二人組作ふたりぐみつくるんでしょ。で、はんとか、バスのせきとか、いろいろめるんでしょ」

     ミカがよこう。

    「そう。あれ、三人にんになってもいいんだって」

     わたしが二人ふたりかおうと、

    「へー」

    「そうなんだ」

     二人ふたりとも反応はんのうが、にぶい。わかってないな。

    「いっしょにもう」

    「え。ハナエ、あたらしいクラスのみなよ」

     エリがわたしをる。

    「うちらは二人ふたりむよ。でもハナエ、あたらしいクラスのんだほうがよくない?」

     ミカも、かみゆびでくるくるきながら、う。

     なんで? いつもいっしょだったのに。

    「……わかった」

     ムッとしたひびきがもれているのが自分じぶんでもわかった。

    「だいじょうぶ?」

     エリがわたしをのぞきんだ。

    「がんばれっ」

     ミカがそうい、二人ふたりわらった。どうしてこの状況じょうきょうわらえるのだろう。こんなひとたちだったっけ。

     わたしはずんずんと大股おおまた廊下ろうかにむかう。教室きょうしつときくと、二人ふたりかおわせてなにやらたのしげにはなしている。

     なんでわたしだけ……。

     あのときなさけない気持きもちはいまでもおぼえています。もうともだちじゃない、とすらおもいました。でも、このあとも、タイミングがえばいっしょにかえったし、わたしたちはつかずはなれずのいいともだちでした。

     あのとき、エリがわらったのは「だいじょうぶだよ、ハナエ」という意味いみだったのかもしれません。彼女かのじょには、あたらしいクラスにともだちがいない不安ふあんなんて、きっと想像そうぞうできなかったのでしょう。

     ミカとは、いまでもともだちです。ノリのいいで、よくわたしに「どんくさいな、もう」とってケラケラわらいます。あのときわらいも、ふか意味いみなんてなかったのでしょう。

    +  +  +  +  +

     『12さいたちの伝説でんせつ』も小学しょうがく六年生ねんせいのクラスが舞台ぶたいです。いじめっこや優等生ゆうとうせい活発かっぱつ、いつもしずかななど、どんなでも、本人ほんにんおもいには、ギャップがあります。このほんではかたしょうごとにわり、ひとつの「事件じけん」でも、こんなにちがってえるんだ、とハッとさせられます。

     わたしも、エリとミカに、あのときどんな気持きもちだった?と、いてみたいもします。でも、二人ふたりが「なんのこと?」ときょとんとするかおほう想像そうぞうできて、なんとなくひとりでわらってしまうのです。


     エッセイストの華恵はなえさんが、ほんにまつわるおもきなほん紹介しょうかいします

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