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SUNDAY LIBRARY

木村 衣有子・評『作家のお菓子』

◆『作家のお菓子』コロナブックス編集部・編(平凡社コロナ・ブックス/税抜き1600円)

 『作家のお菓子』は、既にこの世を去った小説家、漫画家、画家ら26人が好んだお菓子を、遺された家族や担当編集者などの言葉を交えつつ紹介していく本だ。

 「作家の」と前置かれると、けっこうな重みを感じる。きっちり美しく撮られた写真もその印象をいや増す。ふわふわに膨らんだシュークリームも、かりっと焼かれたおかきも、重厚なものに見えてきてしまう。ただ、ひとつひとつに目を凝らせば、存外素朴だ。そのへんにぽんと置かれていたら、なんの変哲もない、あるいは、ずいぶん古めかしいな、と思わせられるお菓子。多くは、今でも買い求められるが、どれも老舗といえる店のものばかりだ。なぜかというと、少し昔に生きていた人たちのおやつだから。

 いかにも脂っこかったりボリュームがあったりというものが少ないのも、じっと座り込んで取り組む仕事をする人たちには、そうでないと具合が悪いのだった。一度に幾つも食べられないから、いきおい、甘さの加減にうるさくなり、味わいの好みは絞り込まれる。分かるわ、仕方ないよね。というのも、作家、と自称はしないまでも、私にとっても、閉じこもってひたすらものを書くぞ、という時間は長いもので。

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