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余録

時代劇の「黄門さま」で知られる…

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 時代劇の「黄門さま」で知られる水戸藩主、徳川光圀(みつくに)はいまの北海道、蝦夷地(えぞち)に強い関心を持っていた。「快風丸」という大型船まで建造して探検を試みた。3度目の挑戦となった1688(貞享5)年、派遣した調査団はやっと石狩(いしかり)地方に着いた▲水戸藩の蝦夷地への関心は続き、江戸後期には地元出身の北方探検家、木村謙次(けんじ)が活躍する。1798(寛政10)年、近藤重蔵(じゅうぞう)による幕府の調査に加わった木村は北方領土、択捉(えとろふ)島も探検した▲近藤らがその際、同島に建てた標柱の「大日本恵登呂府(えとろふ)」という題字は木村が記したと伝えられる。木村が残した記録類は、当時の蝦夷地などの状況を伝える貴重な資料となっている▲その木村が蝦夷地で買い、持ち帰ったとされる「アットゥシ」と呼ばれるアイヌ民族の伝統服が2月4日から水戸市の茨城県立歴史館で開かれるアイヌ刺しゅう展で展示される。現存するアイヌ衣服では最古級の貴重なもので、木村の子孫が代々大切に保存してきた▲展示会は歴史館と、公益財団法人「アイヌ文化振興・研究推進機構」(札幌市)が共催する。木村のアットゥシが一般に公開される機会は非常に少ない。光圀の「快風丸」の復元模型も陳列されるなど、蝦夷地と水戸藩のつながりも意識した展示内容となる▲アイヌ文化推進機構は毎年、北海道以外の場所で文化交流事業として工芸品展を開いており、今回もその一環という。樹皮の繊維で織られ、背面に刺しゅうがほどこされた木村のアットゥシには素朴な味わいがある。アイヌの人々との間に200年以上も前に行われた交流に思いをはせてみたい。

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