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時代の風

科学技術の発達=総合研究大学院大教授・長谷川眞理子

=丸山博撮影

 携帯電話が発明され、急速に普及した後、その発する電波が心臓ペースメーカーの害になるということが指摘された。しかし、世の中はもう進んでしまっており、今さら電車内の使用を禁止できない。そこで、「優先席付近では……」というようなアナウンスや表示で対応するしかなかった。

 このことは、科学技術文明が内包する大きな問題を象徴している。単に、技術の発展にはよい面も悪い面もあるが、携帯電話を開発する途中でペースメーカーのことに考えが及ばなかった、という以上の本質的なものではないかと思う。

 自動車を発明し、改良していく過程では、走ることの技術に絞って研究開発が進む。私たちは、速く楽に移動する手段を持ちたかったし、それは心地よいことだ。やがて、エネルギー問題が出てくると、燃費をよくする研究がなされた。二酸化炭素排出が問題になると、「エコ」な車が開発されるようになる。しかし、ここまで車社会になってしまった以上、後戻りはできない。つまり、初めから一つの機能だけではなく、そういう技術を開発…

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