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社説

日米自動車貿易 理不尽な批判に対抗を

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 トランプ米大統領が「日本の自動車貿易は公正でない」と批判している。10日の日米首脳会談で主要議題として取り上げる見通しだ。

 だが、トランプ氏の発言は事実誤認が多い。安倍晋三首相はまず正確な認識を持ってもらうよう説得に努めてほしい。そのうえでトランプ氏が理不尽な要求を持ち出すようなら、これに屈してはならない。

 トランプ氏は先週、「日本は米国車を日本で売れないようにしているのに、日本車を船に何十万台も積んで米国に売ろうとする」と述べた。

 「米国第一」を掲げるトランプ氏は、日本の閉鎖的な市場と対米輸出攻勢が米自動車産業の衰退と雇用喪失を招いたと言いたいのだろう。しかし、明らかに誤った認識だ。

 日米の自動車貿易は摩擦が激しかった1980~90年代から状況が一変した。2015年の対米輸出は160万台とピーク時の半分以下に減った。

 日本メーカーが米国で工場を建設し、現地での生産を進めたためだ。15年の現地生産は380万台超と30年前の10倍以上だ。関連の雇用も150万人を創出している。

 日本市場が閉鎖的という主張も一方的だ。乗用車の輸入関税は、米国の2・5%に対し、日本はゼロだ。

 日本市場で米国車と同じ条件のドイツ車は販売を伸ばしている。日本市場で輸入車が占めるシェア(軽自動車除く)は16年に9%台と4年連続で過去最高を更新した。輸入車の上位は、ほとんどがドイツ車だ。

 米国車が日本に浸透しないのは、燃費性能が良くなかったり、大型車が日本の道路事情になじまなかったりするなど、日本で売れる努力を十分してこなかったためではないか。

 トランプ氏に近い米自動車メーカー首脳は「貿易を妨げるのは為替操作」と発言している。日本などが輸出に有利になるよう自国通貨を安値に誘導していると批判したものだ。

 しかし、円相場が1ドル=80円程度とかなりの円高水準で推移した時期でも、燃費に優れた日本車が米国で人気を集め、米国車は日本で伸び悩む構図は変わらなかった。

 米国の自動車メーカーには、米国と異なる日本の安全基準などを非関税障壁として問題にする声もある。しかし、国民の安全にかかわる問題でもあり、譲るべきではない。

 日米首脳会談を控え、安倍首相はトヨタ自動車の豊田章男社長と近く会談する方針だ。日本の自動車メーカーが米国経済で果たしている役割などを確認するとみられる。

 首脳会談にあたって、首相は「言うべきことは言う」と述べている。一方的な要求を突きつけられても応じない姿勢で臨むべきだ。

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