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南極「昭和基地」設置60周年 温暖化観測の重要拠点に

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 日本の南極観測拠点「昭和基地」が設置されて60周年を迎えた。各国の建設場所を決める国際会議では、第二次世界大戦で敗戦国となった余波で条件の悪い場所を割り当てられたが、その周辺は今、地球温暖化を占う重要な観測エリアとなっている。【阿部周一、久野華代】

 「南極観測は3年ほどで終わる予定だったんです」。観測隊に7回参加した吉田栄夫(よしお)・日本極地研究振興会理事長(86)は明かす。1952年、国際学術連合会議(当時)は57~58年を「国際地球観測年」と定め、その一環で南極観測事業が始まった。日本も55年に参加を決めたが、57年に予備観測、58年に本観測、59年に撤収の予定だったという。吉田さんは「これほど長い大事業になるとは思いもよらなかった」と振り返る。国立極地研究所によると、現地観測に赴いたのは現在の第58次隊まで60年間で延べ3376人に上る。

 昭和基地は東(ひがし)南極にある東オングル島にある。ここに建設が決まった経緯には、第二次世界大戦の戦勝国と敗戦国の力関係が色濃く表れた。

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