京都産業大神山(こうやま)天文台(京都市北区)は、星からの赤外線を世界最高レベルの精度で分析できる装置を開発し、8日から南米・チリの天文台と協力して観測を始める。河北秀世台長(46)は「観察条件のよい南半球での観測で銀河系の成り立ちの謎を解明したい」と意気込む。
装置は、望遠鏡で集めた赤外線を波長ごとに最大8万種にまで分けて分析できる。2010年に開発を始め、2億円以上を投じて昨年11月に完成。「ワインレッド」と名付けられた。米国やイタリアの研究機関も同様の装置を開発しているが、分析できるのは届いた赤外線の1~2割程度。ワインレッドは最大5割を活用でき、最も効率よく分析できる。
宇宙空間は真空状態に近いが、場所によっては微小なちりやガスがあり、可視光線はさえぎられたり、地球まで届かなかったりする。一方、赤外線は透過能力が高く、地球まで到達しやすい。こうして届いた赤外線を詳細に分析すると、恒星やガスの成分、温度、動きが判明する。ワインレッドのように細かく波長を分けて分析できれば、成果も出やすいという。
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