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社説

恵方巻き商法 コンビニ戦略のひずみ

 節分の新たな風物詩「恵方(えほう)巻き」をめぐるコンビニの商法が論議を呼んでいる。大手チェーンはこの時期700万本近くを売るというが、背後で店員へのノルマや売れ残りの大量廃棄が起きている。業界の構造問題が根底にあるとも指摘される。

 全国5万店を超え、便利で身近な存在のコンビニは売上高10兆円の産業に成長した。地域の防犯活動や災害時の物資供給の拠点にもなっている。社会的な役割の大きさにふさわしい改革が求められる。

 予約販売が中心の恵方巻きは、学生アルバイトにも「1人30本」などのノルマが課されることがあるという。家族や知人らから注文を取らないと、自腹を切って給料を削ることになる。また、節分後は売れ残りがたくさん捨てられている。インターネット上にそうした画像が投稿され、食べ物を粗末にすることにつながる商法が批判を受けている。

 コンビニは、バレンタインデーや母の日ギフト、土用のうなぎ、中元・歳暮、そしてクリスマスケーキなど一年中、イベントを仕掛けて消費を刺激している。その度、ノルマ販売などが指摘されてきた。

 こうした問題について、運営主体のコンビニ本部は従来「フランチャイズ契約を結んだ店が自ら判断してやっている」と主張してきた。販売目標をあげさせ、仕入れを増やす圧力などかけていないとの姿勢だ。

 セブン-イレブンの東京都内の店が、風邪で欠勤した女子高生から9350円の「罰金」を取る問題が最近起きた。本部は当初「店の責任」ととりあわなかったが、問題が大きくなると店に返金を指導している。

 また、複数の都道府県労働委員会が「店主は労働組合法上の労働者に当たる」として、本部と対等な立場ではないとの判断を示した。フランチャイズ契約によれば、店主は労務管理を含むすべての経営責任を負う独立事業者だが、実態は本部の戦略や指導に従わざるを得ず、自主的な判断で経営する余地は乏しい。

 店の数が増える一方で節約志向などもあって、1店当たりの売上高の伸びは頭打ちだ。本部は、販売機会を増やそうと、店同士を競合させるような出店戦略をとることもある。

 一方、店主は商品原価や本部に払う金を差し引いた後の手取りを確保しようと、人件費を抑えたがる傾向にある。その結果、人は集まらず、店主とその家族が土日もなく深夜早朝も働く場合があるという。

 暮らしに不可欠なコンビニは、便利な機能が増えたことも重なり、「働く場」として見ると、どんどん過酷になっている。ビジネスとしての持続性を保つため、本部の主導で基本的な戦略を考え直す時期である。

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