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貧困にあえぎ 危険顧みず
メキシコから米国に渡る主要な国境通行橋には、監視カメラが何台も設置されている。警備は万全だ。だが郊外に行くと、フェンスも低くなる。このため米側の国境警備隊は、国境沿いを古タイヤを引きずって走行し、砂地を平らにならす。不法移民の足跡が残れば、追跡しやすくなるからだ。
「米国の警備隊は今ごろ、昼寝しているさ」。不法移民の案内役「コヨーテ」のスニエガさん(36)が軽口をたたいた瞬間、フェンス越しの米側で警備隊の車が向きを変え、土ぼこりを上げ速度を上げた。不法入国者を発見したのだ。
スニエガさんはコヨーテの中で、まだ良心的な部類だ。米国内の大都市まで連れて行くと約束し、3000~6000ドルもの大金を受け取りながら逃げ去る者や、道中で強盗にひょう変する者もいる。
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