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余録

「みるとそのままにくらしく…

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 「みるとそのままにくらしく、無理な事のみいい、いかつがましき顔つきする。悪人方ともいう」。何かといえば、元禄時代に編まれた職業図説に記されている歌舞伎の「敵(かたき)役(やく)」についての説明だ(「新版・歌舞伎事典」平凡社)▲ただし後の時代の「色(いろ)敵(がたき)」のように、いかついどころか若い美男の敵役もあって、これが残忍だったりする。それに対して「実悪(じつあく)」「立(たて)敵(がたき)」はいかにもという敵役中の敵役、主家乗っ取りを図るような役柄という。「国崩し」ともいうから一家一国を滅ぼす悪である▲さて既得権益をむさぼる守旧勢力を敵役とし、徹底対決の姿勢をとって世の喝采(かっさい)を浴びる昨今の劇場政治である。海の向こうでトランプ一座が大当たりしたが、日本では小池百合子(こいけゆりこ)東京都知事を座元とする「小池劇場」が「都民ファースト」を合言葉に大人気である▲先日の千代田区長選では支援した現職が都議会自民党の候補に大差で勝利し、7月の都議選での自前の地域政党からの大量擁立に弾みをつけた。絶好の敵役とされたのは同区が地盤の都議会自民党の実力者、内田(うちだ)茂(しげる)氏で、この惨敗で引退に追い込まれるはめになった▲見ると憎らしくなるような重量感ある敵役の退場は「小池劇場」には痛手だが、そこは大物敵役には困らぬ座元である。豊洲市場問題では石原慎太郎(いしはらしんたろう)元都知事の責任を突き、五輪準備では森喜朗(もりよしろう)大会組織委員会会長との反目を押し出せば、世の耳目はくぎ付けとなる▲敵役退治の手並みのほどは十分に分かったが、その勢いで何を成し遂げるつもりなのか。海の向こうでもこちらでもそろそろ知りたい「ファースト」の内実である。

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