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スリランカ

港を中国に貸し出しへ 財政厳しく

 スリランカ政府は近く、南部ハンバントタ港の運営権を99年間、中国企業に貸し出すことで最終合意する方針を固めた。スリランカ政府高官が毎日新聞の取材に明らかにした。2015年に発足したシリセナ政権は「脱中国依存」を目指し全方位外交を進めたが、財政事情は厳しく、中国に頼らざるを得ない状況が浮き彫りになった。【コロンボで金子淳】

     地元政治家などによると、ハンバントタ港は10年、親中派のラジャパクサ前政権下で建設された。建設費約13億ドル(約1500億円)の多くは中国からの融資で、一部は年利6%を超える高利だという。だが、完成後も船舶の利用は少なく、港は「巨大なスイミングプール」(野党政治家)と批判された。

     政府は昨年、約11億ドルで、港湾の管理企業の株式のうち80%を99年間、中国企業に貸し出すことで大筋で合意した。政府高官によると「今後、数週間以内」に正式な契約を結ぶ見通しだという。

     深刻な財政危機が背景にある。財務省の資料などによると、スリランカの対外債務の返済額は14年は14億ドルだったが、17年は24億ドル、19年には約40億ドルにふくれあがる。政府高官は「前政権は返済を考えずローンを組んだ。港湾のリース代と返済金を相殺せざるを得ない」と語る。シリセナ政権は発足以降、日印や欧米との関係強化を通じて「脱中国」を目指したが、深刻な財政危機により「中国に頼るしか選択肢がない」(地元ジャーナリスト)状況だ。

     一方、「事実上の売却」(野党幹部)と言われるリースへの批判も高まっている。1月には中国向けの工業団地の起工式に合わせ、地元住民が大規模な抗議デモを実施。治安部隊と衝突し20人以上が負傷した。親中派で港湾建設を進めたラジャパクサ前大統領さえ「もっと有利な条件で契約すべきだ」と批判する。

     安保上の懸念もある。中国はインドを囲むように港湾を整備しており、「真珠の首飾り」戦略と呼ばれている。スリランカの与党幹部はハンバントタ港について「軍事利用させない」と言うが、14年にはコロンボ港に中国の潜水艦が寄港しており、インドが警戒感を高めるのは必至だ。野党・人民解放戦線(JVP)のスニル・ハンドゥネッティ議員は「戦略的に重要な港湾を外国に渡すのは国の安全保障上問題だ。インドが反発し、スリランカの別の港の運営権を求めてくる可能性もある」と批判する。

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