矯正医官

医の原点ここに 「受刑者を診ているという感覚はない」 高松刑務所医官・池田さん

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受刑者を診察する池田正行さん(右)=高松市の高松刑務所で、岩崎邦宏撮影
受刑者を診察する池田正行さん(右)=高松市の高松刑務所で、岩崎邦宏撮影

 罪を犯した人たちを診る矯正医官が全国の矯正施設で不足している。そんな中、高松刑務所(高松市)の総合診療医、池田正行さん(60)は、大学教授から矯正医官に転じて間もなく4年。「最新の医療機器はないが、患者の話を聞き体に触って診察する。ここには医療の原点がある」と、診察を続ける。

 「おはようございます。具合はどうですか」。高松刑務所の診察室で昨年12月下旬、詐欺罪で服役中の男性(75)に池田さんが語りかけた。「物忘れが最近ひどくて」と訴える男性の胸に聴診器を当て、血圧を測り、10分ほどの診察を終えた。「刑務所には高齢者が多い。医師がいると安心できる」と男性は言う。

 池田さんが矯正医官になったのは2013年4月。長崎大医学部教授の任期を終え、「自分を必要としてくれる場所で働きたい」と引き受けた。障害者施設などで長く勤めた経験があり、矯正施設での勤務にためらいはなかった。

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