連載

科学の森

科学や環境問題を専門に取材する記者が、身近な話題を図解を交えてわかりやすく解説します。

連載一覧

科学の森

月の誕生諸説、決め手なし 巨大衝突説に矛盾→新説・複数衝突説

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 地球の衛星である月。短歌などの芸術作品でも親しまれ、誰にとっても身近な存在だ。しかし、その起源となると諸説あるもののどれも決め手とは言えず、謎のまま。1月には新説も登場したが支持を得られるか。誕生を巡る研究の最前線を報告する。【渡辺諒】

 ●岩石の組成から

 「これまでの起源説には矛盾があったが、我々の説はそれを克服できる」。イスラエルのワイツマン科学研究所などのチームは1月、英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に新説を発表した際、こう強調した。

 これまでの説とは「巨大衝突説」を指す。地球の直径の約半分にあたる火星ほどの大きさの天体が原始地球にぶつかり、飛び散った両者の岩石やガスが地球を回りながら寄り集まって月が形成されたとする考え方だ。コンピューターシミュレーションで確かめるなど1980年代から科学的に検証され、最も有力な説とされている。

この記事は有料記事です。

残り1060文字(全文1435文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集