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受験と私

作家の平野啓一郎さん「法学部で違った発想、論理が身についた」

 京都大学在学中の1999年に「日蝕」で第120回芥川賞を当時最年少の23歳で受賞した作家の平野啓一郎さん。2016年に出版された最新作「マチネの終わりに」は13万部を超えるベストセラーに。そんな平野さんに受験と大学生活の思い出などを聞きました。【聞き手・平野啓輔】

 高校2年の時に初めて長編小説を書いて、3人に読んでもらったのですが、あまりはかばかしい反応もなく、それで気が済んだところがあったので、受験勉強にいそしもうと思いました。文学は好きでしたが、自分が作家になろうとは考えていませんでした。僕はトーマス・マンという作家が好きで、特に初期の作品は、市民社会と芸術の世界の間で揺れ動く主人公を描いていて、市民社会に対してかなり肯定的な描き方をしているところに共感する部分がありました。文学で生きていくのはどこか浮世離れしていると思っていました。

 僕は母方の実家で育ったのですが、家系が医者、歯医者、公務員と割と堅い仕事が多かったので、真っ当な道に進まないといけないと感じていました。文学が好きなだけに、中途半端に文学部に行くと、こじらせて、ろくな人間にならないのではないかという恐れがあって、なるべく世の中の役に立つ学部に行こうと思いました。理系は好きではなかったので、「法学部にしたら後々つぶしがきく」という理由で決めました。

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