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南スーダン日報

次第に追い込まれる稲田防衛相 

稲田朋美防衛相=川田雅浩撮影
南スーダンPKOの日報「廃棄」問題

統合幕僚長らを厳重注意と発表したが…

 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣した陸上自衛隊部隊の日報問題で、稲田朋美防衛相が次第に追い込まれている。「廃棄」したはずの日報の存在が明らかになるまでの経緯を説明すればするほど、別の疑問点が浮上する悪循環。稲田氏は10日、河野克俊統合幕僚長らを厳重注意したと発表したが、野党はさらに追及を強める構えだ。

 南スーダンの首都ジュバでは昨年7月、大規模な武力衝突が発生した。このため、国連職員らが襲われた際、自衛隊員が救援に向かう「駆け付け警護」の任務付与を巡って、国会では現地情勢に関する質疑が何度も繰り返された。

 こうした中、ジャーナリストが7月7~12日の日報を開示するよう請求。防衛省は12月2日、「日報はすでに廃棄されている」と不開示を決定した。同省によると、当時、陸自の関連部署を調べたが見つからなかったという。この間、政府は11月15日に駆け付け警護の任務付与を決め、同20日に先発隊が現地に出発した。

 ところが、自民党の河野太郎元公文書管理担当相が12月22日、「電子データは残っているはずだ」と防衛省に再調査を要請。その4日後に、同省統合幕僚監部に電子データで保管されていることが判明した。

 民進党は一連の経過を「隠蔽(いんぺい)ではないか」と批判する。与党議員が指摘しなければうやむやになっていたのではないかという見方もあるが、稲田氏は9日の衆院予算委員会で、12月16日に廃棄の報告を受けた際、「第1次資料の日報を本当に破棄したのか。しっかり捜すべきだ」と自ら指示したことを強調した。

 だとすると、稲田氏から指示された統幕が、電子データを確認した12月26日から約1カ月間、なぜ稲田氏に報告しなかったのかという疑問が生じる。文民統制(シビリアンコントロール)のあり方にも関わる問題だ。

 これについて統幕は、派遣部隊との事実関係の確認や不開示部分の調整などに時間がかかったと説明している。同省は今月7日、日報を一部黒塗りで公表した。

 稲田氏は10日の記者会見で「私への説明に一定の準備が必要ということは理解できるが、見つかった事実をすぐに報告すべきだった。関係部署を厳しく指導した」と釈明した。しかし、野党は稲田氏と省内の意思疎通が不十分なのではないかとにらんでいる。民進党の榛葉賀津也参院国対委員長は10日の会見で「組織上のガバナンス(統治)はどうなっているのか。防衛相がしっかりと指揮命令を執れているのか疑義が生じている」と批判した。

 与党も日報問題を軽視できない。稲田氏や防衛省の説明があいまいなままでは、安全保障関連法に基づく自衛隊の任務拡大という安倍政権の安保政策そのものへの批判が再燃しかねないためだ。

 自民党の二階俊博幹事長は10日の会見で「(防衛相への)報告の遅れは、多少気の緩みがあったのではないか」と指摘。公明党の井上義久幹事長も「省内の情報共有が不十分、文書管理も極めてずさんだ。猛省を促したい」と苦言を呈した。【村尾哲、光田宗義】

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