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ウワサのバーミキュラ炊飯器、ご飯以外の料理はどうなんだ? ホットクックと比べてわかった驚きの調理能力と2つの欠点(GetNavi web)

情報提供:GetNavi web

家電ジャーナリスト安蔵靖志が本音で語る!

【ホットクック VS バーミキュラ】バーミキュラ ライスポット・詳細レビュー編

前回は「ヘルシオ ホットクック vsバーミキュラ ライスポット」の第2弾ということで、シャープの「ヘルシオ ホットクック」の魅力や欠点などについて紹介した。もう一度おさらいすると、ホットクックの魅力は「レシピの分量が分かりやすくて、初心者でも簡単においしく『無水調理』ができる」ということと、「予約調理が可能で、製品名通り『放っておける』こと」にある。一方で操作が分かりづらい部分があり、「調理道具として料理スキルアップには役立てにくい」ことが欠点として感じられた。

 

では、愛知ドビーの「バーミキュラ ライスポット(以下ライスポット)」はどんな魅力や欠点があり、どのような人に向いているのだろうか。以下で検証していこう。

↑愛知ドビーが2016年12月に発売した「バーミキュラ ライスポット」(写真左・直販価格7万9800円)↑愛知ドビーが2016年12月に発売した「バーミキュラ ライスポット」(写真左・直販価格7万9800円※税抜き)

 

人気の鋳物ホーロー鍋に専用ヒーターを追加

バーミキュラ ライスポットの大きな特徴として挙げられるのが、ライスポット専用の「鋳物ホーロー鍋」と、IHコイルにアルミヒーターを組み合わせた「ポットヒーター」がセットになっている点だ。ライスポット専用鍋はバーミキュラの人気鋳物ホーロー鍋「オーブンポットラウンド」とは形状が少し異なるものの、普通の鍋としてIHクッキングヒーターはもちろんのこと、ガスコンロでも使うことができる。要するに従来の「オーブンポットラウンド」を進化させた形状の鋳物ホーロー鍋に、専用のヒーターを追加することで自動調理を可能にしたというわけだ。

↑バーミキュラ ライスポットの専用鍋↑バーミキュラ ライスポットの専用鍋

 

↑バーミキュラ ライスポットの「ポットヒーター」↑バーミキュラ ライスポットの「ポットヒーター」

 

その魅力は「野菜の味を存分に引き出す『無水調理』」を、「普通の鍋やフライパンと同じような使い方で作れる」ことにある。

 

バーミキュラは、鍋とフタとの接触部分を誤差100分の1mmというとてつもない精度で加工されており、2010年の発売から現在まで数か月以上のバックオーダーを抱える人気鋳物ホーロー鍋だ。この精度によって無駄に蒸気を逃がさない密閉空間を作り、野菜の味を引き出す「無水調理」を可能にしている。無水調理は決して難しくはないのだが、「弱火」や「極弱火」などの火加減を習得するためにちょっとしたコツが必要になる。

 

その点、ライスポットはボタン一つで「中火」、「弱火」、「極弱火」の火加減のほか、30℃から95℃までの低温調理も実現している。タイマー設定が可能なので、調理中に他の家事を済ませることも可能だ。

 

直感的に操作できて表示もわかりやすい

操作パネルはとても親切で分かりやすい。ポットヒーターの操作部はタッチパネルになっており、次に選べるメニューだけが表示される仕組みなので迷わずに操作できる。タッチパネルのため、油や水がはねて付いてもすぐに拭き取れるのがうれしい。

↑ポットヒーターの操作部はタッチパネルになっており、直感的に使えるのが魅力↑ポットヒーターの操作部はタッチパネルになっており、直感的に使えるのが魅力。電源をオンにすると「調理モード」と「炊飯モード」の2つが選べる

 

「炊飯モード」では白米や玄米、おかゆなどのメニューから選んでお米の量をセットし、炊飯時刻を設定してスタートを押すと炊飯が開始される。タイマーボタンを押せば予約炊飯も可能だ。残念ながら鍋に炊飯用の水位線は付いていないので、炊飯用に付属する計量カップ(お米用と水用が付属する)で計量してセットする必要がある。この点、水位線が付いている炊飯器で炊飯している人にとってはちょっと面倒なところだろう。

↑鍋には水位線がないので、炊飯に使うのには少し面倒↑鍋には水位線がないので、炊飯に使うのには少し面倒

 

続いては調理モードを見ていこう。調理モードボタンを何度か押すと、「極弱火」、「弱火」、「中火」、「低温調理モード」が切り替わっていき、スタートボタンを押すと調理がスタートする。タイマー設定も可能だが、そのままスタートすると調理時間が表示されるのでこちらも便利だ。直感的に操作できるタッチパネル、わかりやすい表示と、操作系統は総じて使いやすいといえる。

 

カレーを作ったら驚くほどの甘さに仕上がった

では、実際に作ってみよう。まずは「無水カレー」から。完熟トマト、玉ねぎスライス、セロリ、にんじん、鶏もも肉、ローリエ などの材料を投入し、フタをして弱火で60分加熱してから火を止める。カレールウを入れてかき混ぜながらとろみを付けたら、もう一度フタをして10分おき、予熱で味をなじませたらできあがりだ。

↑野菜を順番に敷き詰め、一番上に鶏もも肉を載せる↑野菜を順番に敷き詰め、一番上に鶏もも肉を載せる

 

↑1時間ほど煮込んだら、カレールウを加え、混ぜ合わせて予熱で味をなじませたらできあがり↑1時間ほど煮込んだら、カレールウを加え、混ぜ合わせて予熱で味をなじませたらできあがり

 

ホットクックと違って最後にカレールウを入れる手間が必要だし、ホットクックのように予約調理もできないが、手順は至って簡単だ。材料を投入したら、1時間待ってルウを入れ、かき混ぜるだけなのだから。

 

完成したカレーを食べてみて、驚くのがその甘さ。ホットクックで作った無水カレーも野菜の甘みが際立っていたが、ライスポットでは、さらに甘みが強く感じられる。レシピブックにも「野菜の甘みがたくさん出るので、ふだん使っているものより辛目のルウを使うのがおすすめです」とあるが、まさにその通り。ちなみに、このカレーを振る舞った筆者の娘からは「甘すぎる」という文句が出た(笑)。レビュー用に用意したルウがいつもより辛くなかったのは確かだが(それでも「辛口」は使った)、本機が引き出す「甘さ」は場合によっては好みが分かれるところだと感じた。

↑野菜の甘みがかなり出てくるのに驚かされた↑出来上がったカレーでは、野菜の甘みがかなり出ているのに驚かされた

 

無水調理だけでなく炒め物もできるのが魅力

続いて「豚の角煮」を紹介しよう。前回のホットクックでは豚バラ肉を下ゆでしたが、ライスポットのレシピでは下ゆでは行わない。鍋に何も入れずに中火でしばらく加熱すると「炒めOK」という表示が出るので、豚バラ塊肉を脂身の方から炒めていく。各面1分ずつ、計6分ほど炒めたら、鍋底にたっぷりと出てきた脂をキッチンペーパーでしっかりとぬぐい取る。豚の角煮を作る場合、この脂の処理が重要なのだが(冷やして固まった脂を取り除く方法もある)、これは極めてシンプルでリーズナブルな方法に感じられた。

↑ホットクックとは違って、豚バラ肉を炒めるところからスタートする↑ホットクックとは違って、豚バラ肉を炒めるところからスタートする

 

続いて大根、白ねぎ、しょうが 、鷹の爪を入れ、しょうゆやお酒、みりんなどで作った調味液を加え、弱火で90分加熱する。最後に別レシピで作った半熟卵を加えて味をなじませたらできあがりだ。

↑油を取り除いたら大根や白ねぎ、調味液などを投入。弱火で90分加熱したら完成だ↑油を取り除いたら大根や白ねぎ、調味液などを投入。弱火で90分加熱したら完成だ

 

最初に焼き色を付けて肉の旨味を閉じ込めていることや、下ゆでしていないことから、味が濃厚で凝縮されている印象を受ける。個人的に、角煮の味はホットクックよりライスポットのほうが好みだが、「角煮だけどさっぱりしている」という方向性が好みの人にはホットクックの方が向いているだろう。

 

もう1品、ブリ大根も作ってみた。こちらはホットクックと同様、お酒を加えて水を沸騰させてブリに回しかけるという下ごしらえをしてから調理していく。水をまったく使わない無水調理なのも同様だ。濃いめの味付けでしっかりとブリに味が染み渡り、おいしくいただくことができた。

↑最初に大根と調味液を入れ、弱火で35分じっくりと火を通して味をしみ込ませる。下ごしらえしたブリを下に敷いてから、最初に火を通した大根を載せて弱火で15分加熱↑最初に大根と調味液を入れ、弱火で35分じっくりと火を通して味をしみ込ませる。下ごしらえしたブリを下に敷いてから、最初に火を通した大根を載せて弱火で15分加熱

 

↑完成したブリ大根↑完成したブリ大根

 

メリット1 操作が簡単で調理の幅が広い

ホットクックはレシピブックから自動メニューを選んで番号を入力するという操作方法だった。対して、ライスポットは火加減と時間を設定する程度で、一度でも料理をしたことがある人なら誰でも直感的に使えるのが魅力だ。

 

ただし、付属のレシピブックは初心者にとっては少しわかりづらい印象がある。「完熟トマト 大4個」、「大根 10cm」といっても大きさはまちまちなので、ここの分量によって味が大きく変わってくる可能性がある。料理に慣れている人ならいいが、これから料理を本格的に始めたいという人向けは分量もしっかりと書いておいてほしかった。

↑ライスポットに付属のレシピブック。紙の質が良く、立派な本に仕上がっているが、食材の分量がはっきり書いていないので初心者には分かりづらい↑ライスポットに付属のレシピブック。紙の質が良く、立派な本に仕上がっているが、食材の分量がはっきり書いていないので初心者には分かりづらい

 

無水調理をはじめとする煮込み調理だけでなく、中火なら炒め調理も可能で、油でじっくり煮込む「コンフィ」などの低温調理にも対応している。もちろん炊飯機能も搭載しているなど、調理の幅が広いのはうれしいところだ。

 

メリット2 炊飯器としての実力が高い

今回は「調理鍋」としてホットクックと比較したため、ここではあえて紹介しなかったが、本機は「ライスポット」という名前だけあって炊飯機能が充実している。最大5合まで対応で予約炊飯も可能になっており、ハリと粒感のある仕上がりは個人的には抜群においしいと感じている。

↑炊飯モードで白米が炊き上がったところ↑白米の炊き上がり

 

デメリット1 予約調理に対応しない

ホットクックのように、「食材をセットしてスタートすれば、最長12時間後に仕上がる」といった便利な予約調理機能は搭載していない(予約炊飯機能は搭載しているが)。あくまでも何分後に加熱が終了するタイマー調理機能のみだ。

 

ただし、じっくりと弱火でコトコト煮込む無水調理は、調理している間ずっと見張っている必要はない。ホットクックのような「作業そのものを省く時短調理」とは方向性が異なるが、調理時間中に他の家事などの作業ができるという点ではホットクックと共通。作業時間の短縮に役立つのは間違いない。

 

デメリット2 扱いやすさはイマイチでメンテナンスも必須

もうひとつ、ライスポットを「オススメしにくい」理由があるとしたら、「扱いやすさ」の点だ。専用鍋には木製の取っ手などが付いておらず、調理中は鍋はもちろん、フタも高温になってしまう。そのため、フタや鍋を扱うときにはミトンなどが必須になる。

↑フタは取っ手まで一体成型されているため、調理中や調理直後は熱くてそのままでは触れないので注意してほしい↑フタは取っ手まで一体成型されているため、調理中や調理直後は熱くてそのままでは触れないので注意してほしい

 

先述したが、炊飯する場合は水位線がないため、炊飯するたびにお米と水の計量が必要なのが面倒だ。一度ザルで洗米して水を切り、計量した水を入れて炊飯するというひと手間が必要になる。また、炊飯後に保温する機能がなく、炊飯後はファンが作動して鍋を冷ますため、炊飯直後しかアツアツのご飯を食べられないというデメリットもある(冷ますのはご飯をおいしくするために必要とのことだが)。

 

あとは、鍋とフタとの接触部分がさびやすい点だろう。この部分は密着度を高めるためにホーロー加工がなされておらず、どうしてもサビが生じてしまうので、油を塗るなどのメンテナンスが必要になる。このあたりは「調理道具」として長く使うためのコツといったところだ。

↑フタと鍋の接触部分がさびやすいので、油を塗るなどのメンテナンスも必要になる。「道具として大事に扱う気持ち」が必要になりそうだ↑フタと鍋の接触部分がさびやすいので、油を塗るなどのメンテナンスも必要になる。「道具として大事に扱う気持ち」が必要になりそうだ

 

一般のレシピが使えるので料理の腕を上げたい人に最適

ライスポットの魅力は、「あくまでも調理道具のひとつとして使える」という点にある。ホットクックがいわば「ホットクック用レシピ専用調理家電」に近いのに対し(手動調理も可能だが)、ライスポットは「市販のレシピ本をそのまま使える」のが利点だ。操作性は火加減(中火~極弱火)もしくは低温調理の温度を設定してスタートし、必要に応じて調理時間を設定するだけ。「中火で何分」、「70℃で1時間」といった一般的なレシピ本に沿った操作できるので、書店やレシピサイトなどで見つけたレシピをそのまま再現できる。

 

そのため、料理を本格的に始めたいという初心者から、何十年も作り続けているベテランまで、迷わずに調理道具として使い回すことができる。

 

「調理家電」と考えれば扱いにくい部分はあるものの、長く「調理道具」として使いつつ、料理の腕を上げたいという人にピッタリのモデルといえるだろう。

 

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