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論の周辺

和歌と天皇の長く深い関わり

 今年も行われた新春恒例の歌会始の起源は、少なくとも鎌倉時代中期までさかのぼるという。700年以上も続く宮中行事である。もちろん和歌という文学形式は『万葉集』以来、1000年を大きく超える歴史を持つ。そして和歌と天皇は、さまざまな形で強く結び付いてきた。

 その関わりをたどった鈴木健一著『天皇と和歌 国見と儀礼の一五〇〇年』(講談社選書メチエ)を興味深く読んだ。近代に入って明治天皇は10万首近くもの歌を詠んだ。それが戦前の教科書に載って「臣民」の形成に影響力を持ち、日中戦争のさなかには民族主義的に解釈された歴史がある。政治的な問題にもなり得るテーマだが、日本近世文学の専門家である鈴木さんは、多様な意見を紹介しつつバランスよく論じている。

 和歌と天皇との深い関わりは、まず『万葉集』の巻頭に雄略天皇の長歌が置かれているところに象徴される。一見、名もない少女への愛を述べた歌のようだが、対立者を次々と殺し武力で豪族たちを鎮圧した天皇だけに、この歌にも「豪族の娘を我が物にする(もしくは、豪族を従える)」という意味合いがあると鈴木さんは指摘する。

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