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詩歌の森へ

湯川秀樹と短歌=酒井佐忠

 湯川秀樹は研究生活の傍らで短歌に親しんでいた。日本人で初めてノーベル賞を受賞した物理学者と短歌文芸との関係はどこにあったのか。歌人の松村由利子の新著『短歌を詠む科学者たち』(春秋社)は、余り知られていない短歌を愛した科学者たちの姿を詳しく教えてくれる。

 湯川博士は、子供のころから家にあった万葉集や西行の山家集などに親しみ、自然に短歌を作り始めたのは旧制中学のころだという。生前、私家版の歌集一冊を出し、約500首を残した。<深くかつ遠くきはめん天地(あめつち)の中の小さな星に生れて>。「物理学に志して」という詞書(…

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