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平松 洋子・評『晴れたら空に骨まいて』川内有緒・著

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大切な人の生を全うさせ新たに結ばれる弔いの儀式

◆『晴れたら空に骨まいて』川内有緒(ありお)・著(ポプラ社/税抜き1500円)

 親しかった友人の死後二年経(た)って、彼の妻が「散骨をすませた」と教えてくれた。好きだった海、しかも国内外五カ所に分けてまいたと聞いたとき、ふわっと明るい場所に出たような心地を味わった。以来、彼のことを思い浮かべると、なぜか幸せな気持ちになる。あちこち気ままに漂いながら本人も羽を伸ばしているに違いなく、そして、彼女は穏やかに言う。

「散骨がすんだら、むしろいつもそばにいると思えて目の前がぱっと開けた。想像もしていなかった心境が、自分でも面白い」

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