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Interview

中嶋しゅう 芝居は観客との会話 「炎 アンサンディ」に出演

俳優の中嶋しゅうさん=内藤絵美撮影

 ダンディーなたたずまい。が、カメラを前に表情を硬くした。「あがり性なんだよ。それを聞くとみんなびっくりするけど」。古典から現代劇まで、円熟味を増した演技で存在感を放つ中嶋しゅうが、意外な面を明かした。「舞台の袖に30分くらい前に行って、覚悟を決めないとだめ。『やるしかない、やるしかない』って思ってる」

     心に留めているのが、森繁久弥に言われた言葉。「ドキドキしなくなったら終わりだよ」

       ■   ■

     3月には、舞台「炎 アンサンディ」(ワジディ・ムワワド作、藤井慎太郎訳、上村聡史演出)に出演する。作家は、レバノン内戦を逃れて亡命した経験を持つ。戦乱に引き裂かれた家族のルーツを解き明かしていく物語は衝撃的。2014年の初演時は、数々の演劇賞を受けた。今回の再演は、スタッフ、キャストとも同じ顔ぶれがそろった。

     沈黙したままこの世を去った中東系カナダ人女性ナワル(麻実れい)は、実の子である双子の姉ジャンヌ(栗田桃子)と弟シモン(小柳友)に謎めいた手紙を残した。遺言を託された公証人エルミル(中嶋)の言葉に導かれ、2人は家族の宿命に向き合っていく。

     初めは公証人の話を聞くことすら拒否していた双子が成長していく物語でもある。「ばかみたいに一生懸命やってくれるエルミルに心を開いていく。ジャンヌとシモンとの関係がより濃いものになったらいいな」とアプローチを探る。

     サスペンスフルな展開は、エルミルが出てくることで空気が変わる。「笑えないような長話をしたり、バカなことをしたりするんだよね。ハードなシーンの後に必ずこれがある。この人が出るとホッとするよねっていう存在なのかな。初演でもそう思っていたけど、そういう部分を膨らませたい」

       ■   ■

     若い頃は観客を敵だと思っていたが、今では楽しませるために出ていくという気持ちに変わった。観客から教わることも多いという。「芝居ってお客さんとの会話だと思う。どんなにいい稽古(けいこ)、長い稽古をしても、やっぱりお客さんの前でやって初めて『あ、なるほど、こういうことなのか』と思うことがある」

     劇場には毎日違う観客が見に来る。そのうち1人か2人は、演劇を初めて見る人がいる……。「井上ひさしさんがそんな話をしてくれたことがある。初めて見たものって後に残るわけじゃないですか。今日も初めてのお客さんに会うんだ。そう思って仕事をしています」

     3月4~19日、東京・三軒茶屋のシアタートラム。問い合わせは03・5432・1515。24、25日は兵庫公演。【濱田元子】

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