健大高崎
男性救助でセンバツ球児に感謝状
毎日新聞
2017/2/17 12:26(最終更新 2/17 12:26)
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今春のセンバツ大会に出場する健大高崎の伊藤敦紀投手(2年)と竹本甲輝投手(2年)が人命救助活動に貢献したとして、16日、群馬県高崎市等広域消防局から感謝状が贈られた。竹本投手がインフルエンザで休んだため、代表して受け取った伊藤投手は「監督からいつも『私生活の小さなことからちゃんとしていこう』と言われていたので、それが(人命救助に)つながった」と話した。
高崎消防などによると、2人は1月16日午後7時5分ごろ、練習を終えて帰宅途中、高崎市島野町のコンクリートブロック製造会社の駐車場で、30代の男性会社員が倒れているのに遭遇。この会社員の同僚の119番通報で現場に到着した救急車を誘導するなどした。
高崎消防の岡田勉局長は「勇気ある活動に心から感謝したい」とたたえた。
2人がとっさに取った行動は、青柳博文監督の生活指導のたまものだ。
「トイレ掃除は心を育てる」「にんげん力」「自分の悪い点を指摘してくれる人は自分の師だ」--。野球部のグラウンドやトイレには多くの教訓が貼られている。「毎回、言葉で言えないので、トイレのような習慣で行くところにあれば、自然と見るから」(青柳監督)
男性は救急搬送されたものの、3日後に亡くなった。2人は、この男性が高校野球のファンだったことを後日、勤務先の社員から聞いた。伊藤投手は「亡くなったと聞いた時はショックだった」と悔しさをにじませながらも「天国から見てくれていると思うので、センバツをしっかり戦いたい」と気を引き締めた。【山本有紀】