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『埋もれた都の防災学 都市と地盤災害の2000年』=釜井俊孝・著

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 (京都大学学術出版会・1944円)

 著者は、地震による地滑りなどの地盤災害が専門。古代都市ローマや日本の古墳、豊臣家が造り埋められた大坂城の堀などを引き合いに、都市開発と地盤災害の歴史をひもとき、現代に通じる教訓をあぶり出す。「自然の改造は、必ず反動を生む。そのことを過去の事例は示している」。災害大国・日本に住む我々にとり、示唆に富む言葉だ。

 ローマのコロッセオの基礎は池の跡などで軟弱な部分と地盤の良い部分があり、軟弱なところで崩れている。琵琶湖には地滑りでできたと推定される湖底遺跡が残る。過去ばかりでなく、現代の都市のリスクにも言及。たとえば大阪市には地下に埋まった谷や城の堀がある。谷を埋めた部分は地震時の揺れが大きくなるが、埋もれているがゆえにリスクに気づきにくい。

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