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脳の発達には順番がある―― 睡眠不足の悪影響は想像以上に深刻[子どもが伸びる家庭の10の習慣](GetNavi web)

情報提供:GetNavi web

みなさん、こんにちは。中曽根陽子です。ここでは、子育てをがんばっているみなさんにぜひ知っておいて欲しい、「子どもの力を伸ばすためのヒント」をお伝えしていきます。前回に引き続き、テーマは睡眠についてです。今回は、睡眠不足が及ぼす影響と、正しい脳の発達に合わせた子育てについてお話しします。

 

キレやすい子どもの増加・・・その原因は睡眠不足!?

前回、日本人は世界と比べて睡眠時間が短いと書きましたが、その影響はわたしたちが思う以上に大きいのです。特に成長期の子どもたちが、不規則な生活をして睡眠不足になることで、脳の発達に深刻な影響を与えてしまうことが分かっています。

 

「最近特に小学4、5年生になって、たいした理由もないのに急にキレたり、イライラする子どもが増えている」というのは、文教大学教育学部教授の成田奈緒子先生。先生は、小児科医として発達障害が疑われる親子を診ながら、発達脳科学の研究をしていらっしゃいます。

 

以前取材をした時に印象に残ったのは、「人間は、太陽が出ている時間に活動する昼行性動物です。だから、わたしたちは朝起きて夜暗くなったら寝るのが当たり前なのです。」という言葉でした。

 

しかし、今のわたしたちの生活は、夜間に強い光を浴びて夜更かしをするようになっています。そうするうちに動物としての活動リズムが狂い、脳にも影響を与え、心身の不調となって表れているのだそうです。

 

実際、先生や親に歯向かったり、友だちに暴力をふるったりと問題行動を起こして、発達障害の疑いから成田先生のところにやってくる子どもの大半が、早寝早起き朝ごはんという生活習慣を身につけ睡眠不足が改善されると、問題行動が収まることが多いそうです。

 

脳の発達にも深刻な影響

みなさんはこの話を聞いてどう思いますか? ご自身のことを考えてみても、睡眠不足が続くと、イライラしませんか? まだ自制心が育っていない子どもならなおさら、そのイライラをどうおさえればいいのか分からなくても仕方ないですよね。

 

しかも、睡眠不足は、脳の発達にも大きな影響を与えるそうです。キレやすい子どもが増える一方で、ささいなことで不安を募らせてこころが折れてしまう子どもも増えていると言いますが、乳幼児期に脳の発達が遅れたために不安な気持ちをうまく抑えられないこともその理由の一つだと、成田先生は指摘します。

 

脳の発達には順番がある

脳は、からだの姿勢の維持、呼吸や睡眠、食欲、情動、自律神経などの働きをつかさどる「古い脳」ができてから、記憶や思考、指先を細かく動かす微細運動、言語や情感をつかさどる「新しい脳」が発達し、最後に人間らしさの脳と言われる「前頭葉」が育つという順番があります。前頭葉は、人間としてもっとも高度なこころのはたらきをつかさどります。

20170220_sugitani_KN02『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(中曽根陽子著、晶文社)より

 

しかし、問題を抱える子どもの多くが、「古い脳」がきちんと育っていないのに、「新しい脳」を乗っけようとしていて、その結果、バランスを崩してしまうのだそうです。

 

成田先生は家に例えて、1階(古い脳=からだ)から2階(新しい脳=いわゆる「脳」)、そして最後に階段(前頭葉=こころ)という順番は決して間違ってはいけないと言います。

20170220_sugitani_KN03『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(中曽根陽子著、晶文社)より

 

脳育てには、早寝・早起き・朝ごはん

では、どうしたら子どもたちの脳を健全に育てることができるのでしょうか? そのキーワードが「早寝早起き朝ごはん」です。つまり、夜になったらちゃんと寝て、朝、太陽が出たら起きて、しっかり食べる。そのループを一定のリズムでくり返すことです。脳とこころとからだのバランスを維持するためにもっとも必要なのが、食事と睡眠をきちんととること。単純なことだったのですね。

 

しかし、今の子どもたちは、夜更かし生活で睡眠時間が削られ、古い脳を育てなくてはならない乳幼児期から習い事などで、新しい脳ばかりを育て過ぎて、バランスが崩れている。その結果、キレやすかったり、不安を抱える子どもになったりするケースが多いのですね。

 

「将来才能を発揮して、社会で活躍してほしい!」

「子どもには、幸せになって欲しい!」

 

それは多くの親の願いだと思います。そのための大切な一歩は、「早寝・早起き・朝ごはん」なのです。

 

参考文献

『一歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(中曽根陽子著、晶文社)
『「睡眠第一!」ですべてうまくいく』(成田奈緒子著、双葉社)
『早起きリズムで脳を育てる』(成田奈緒子著、芽ばえ社)

 

【著者プロフィール】

中曽根陽子

教育ジャーナリスト

教育雑誌から経済誌、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。子育て中のママたちの絶大な人気を誇るロングセラー『あそび場シリーズ』の仕掛人でもある。 “お母さんと子ども達の笑顔のために”をコンセプトに数多くの本をプロデュース。近著に『1歩先行く中学受験成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(共に晶文社)『子どもがバケる学校を探せ』(ダイヤモンド社)などがある。教育現場への豊富な取材や海外の教育視察を元に、講演活動やワークショップもおこなっており、母親自身が新しい時代をデザ インする力を育てる学びの場「Mother Quest 」も主宰している。公式サイトhttp://www.waiwainet.com/

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