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武田 砂鉄・評『死してなお踊れ 一遍上人伝』栗原康・著

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身と心にまとうすべてを脱ぎ捨てて真っ裸で踊れ

◆『死してなお踊れ 一遍上人伝』栗原康・著(河出書房新社/税抜き1600円)

 大杉栄を、伊藤野枝を、あたかも隣近所で騒ぎ立てているような喧(やかま)しさで現世に引っ張り出す評伝を記した栗原康が、次に憑依(ひょうい)させる対象に選んだのは、鎌倉時代の坊さん・一遍上人。

 とにもかくにも、踊り念仏。「善悪優劣の尺度をたちあげてしまう」人間社会のなかで、そこらじゅうを踊りに巻き込み、保身に励むあれこれをすべてリセットしようと試みる。「武士も庶民も女房も、ピョンピョンはねてクルッとまわる」。踊って、狂う。ギャアギャア騒げば、「ひとがひとじゃなくなっていく」。

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