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サンデー毎日発

スーパーエリートを見つけ出せ! 「東大」推薦、「京大」特色入試 合格者出身高校一覧

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 2年目となる東京大学の推薦入試、京都大学の特色入試の合格者が発表された。ペーパーテストだけで測れない特性を重視した選抜とされるが、今回も“狭き門”だった。トップ校が欲しがるスーパーエリートはどのように育まれるのか。

 東大推薦入試の合格者は昨年を6人下回る71人。約100人の募集人員に対して約30人の“定員割れ”だ。それでも、推薦入試担当室長の相原博昭副学長は意に介さない。

 「各学部からは、昨年に引き続き、思うような学生が選抜できたと報告が上がっており、成功と考えています」(2月8日記者会見)

 駿台予備学校進学情報センター長の石原賢一さんは東大の推薦基準に注目して、こう話す。

 「東大が認める高校時代の活動歴と学力を併せ持つ受験生は、現時点で70人くらいなのでしょう。それでも、どのような人物が合格するかなど、推薦の実像がはっきりすると出願者が増え、連動して合格者も増えると思います」

 東大が一般入試とは別に推薦入試を行うのは、ペーパーテストでは拾えない、高い能力を持つ学生が欲しいからだ。もちろん推薦要件のレベルは高く、例えば科学オリンピックの受賞歴や優れた研究成果、高い語学力など、高校時代に特筆できる活動歴があることが必要だ。それもあって、今年の出願校159校中、昨年に続いて出願したのは54校にとどまる。要求レベルが厳しい点については東大も認めており、入試実施委員長の福田裕穂教授は「推薦要件を満たす生徒は一つの高校にいつもはいない。そうした人材が在籍する年は推薦してほしい」と話す。

 連続して出願できる高校とそうでない高校の差がなぜ生まれるのか。東大の一般入試の合格実績に連動していると指摘するのは、代々木ゼミナール教育総合研究所主幹研究員の坂口幸世さんだ。

 「合格校の中には、前期(一般試験)の合格実績が高くない学校があります。前期では難しいが、教科以外に“とがった”面がある生徒がいたのでしょう。一方、前期の合格実績が高い学校で連続出願するケースが多いのは、コンスタントに推薦基準に見合う生徒がいるのでしょう」

 2年連続で出願し、かつ合格者を出した学校には、学芸大付や日比谷、麻布、桜蔭、海城など、一般試験でコンスタントに合格者を出している高校が多い。そうした学校の一つ、桐蔭学園中等教育学校6年の学年主任、玉田裕之教諭は言う。

 「学校全体で取り組んでいるアクティブラーニングにより、東大が求める発信力や協働して課題を解決する能力を養成できていることが、2年連続で合格者が出た一因です。こうした取り組みの象徴が模擬国連部です。合格した生徒は日本大会で優勝し、世界大会に参加したことが評価されました」

 教科以外のさまざまな体験という面では、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)、SGH(スーパーグローバルハイスクール)が有利。判明した58校中、浦和第一女子や伊勢など、25校がいずれかもしくは両方に指定されている。代ゼミの坂口さんは言う。

 「東大の推薦では、高校の教科を超えた能力が求められるため、SSHやSGHなどに指定され、研究機関や海外などでさまざまな体験ができる高校が強い。クラブ活動も含め、こうした体験をきっかけとして、突出した活動をしてきた生徒が合格するようです」

多彩な視点の評価は入試の新たな可能性

 京大が推薦やAO、後期で行う特色入試も2回目を迎えた。実施学部が増えて枠が広がった上、工学部が推薦要件を緩和したこともあり、合格者自体は増えた。しかし後期を除く募集人員125人に対し、合格者は97人。東大同様、特色入試の水準にかなう受験生は多くないということだろう。

 一方で京大に複数の合格者を出した学校もある。西京からは6人、天王寺と大阪桐蔭からは3人が合格した。これらの学校にはどんな特徴があるのか。天王寺の進路指導主事、武井節子教諭に聞いた。

 「課題研究や部活動、学校行事などに積極的に取り組むことでやりたいことを明確化し、大学を通過点として社会貢献ができる人材養成を行っています。合格者は、通常の学習とともに、高大連携や海外研修などに積極的に取り組んでいました。こうした高校生活で育った生徒が評価された結果です」

 京大は高大接続を重視し、高校での「学修」における行動の成果を丁寧に評価するとしているが、無論その基準は“京大”レベルである。

 そんな中、高校独自の取り組みにより、東大と京大に合格者を出したのは広尾学園。教務開発部統括部長・金子暁教諭は言う。

 「東大の合格者は最先端の研究活動を行う『医進・サイエンスコース』に在籍し、通常の日本の教育とは違うレベルの教育を受けています。京大・医学部の合格者は実際の手術にも立ち会いました。こうした生徒がペーパーテスト以外で評価されるのは、入試が新たな方向に向かう可能性を感じます」

 東大、京大の推薦やAOのレベルの高さを考えれば、一般入試に屋上屋を架すものではないかと疑問を呈する声もあるが、駿台の石原さんは、こう指摘する。

 「結果を見れば、推薦で合格する受験生は一般入試でも合格できるのかもしれないが、東大合格者のうち、成績が下位の3分の1は、もう一度受験すれば入れ替わる。そうした層にいる“原石”を確実に入学させようと考えているのでしょう。京大も同じだと思います」

 東大の推薦や京大の特色入試は、高校が養成したスーパーエリートを効率的に選抜するシステムとなっているようだ。【大学通信・井沢 秀】

*週刊「サンデー毎日」2017年2月26日号より転載。この号では、東大、京大のほか、北大、東北大、名古屋大、大阪大、九州大、一橋大、東京工業大、神戸大の推薦・AO入試の高校別合格者も掲載しています。こちらに関しては、実際の誌面で確認してください。

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