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第103回全国高校野球選手権

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’17センバツ・第2部/3 前橋育英 打撃力に変化 秘密はツイスト打法 /群馬

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通常の「ティーバッティング」(奥)とは違い、ツイスト打法の練習(手前)では、トス役は打者に正対する=前橋市朝日が丘町の前橋育英室内練習場で 拡大
通常の「ティーバッティング」(奥)とは違い、ツイスト打法の練習(手前)では、トス役は打者に正対する=前橋市朝日が丘町の前橋育英室内練習場で

 <第89回選抜高校野球>

反復で自分のものに

 昨秋の公式戦で、前橋育英の選手たちは自分の打撃力の“変化”を感じていた。

 関東大会初戦の白鴎大足利(栃木)戦。5-5の同点で迎えた五回2死三塁の場面で、打席に入った6番の皆川喬涼選手(2年)は外角の低めの直球をすくい上げた。「それまでだったら体が開いて内野フライ」(皆川選手)の難しいコースだった。だが、打球は中前への勝ち越し打となった。「体が開かなくなったおかげでボールがよく見えた」

 黒沢駿太選手(2年)も確かな手応えを感じ取っていた。秋の県大会決勝の健大高崎戦。1-1の同点の場面で、四回1死三塁からセンターに犠牲フライを放った。「腰のひねりを意識したから、外野まで打球を飛ばせた」と振り返る。

 昨秋の県大会は6試合中3試合がコールド勝ち、関東大会でも3試合のうち2試合を逆転勝ちでものにするなど、打撃面の活躍が目立った。

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 “変化”の秘密は新チームになってから新たに取り組んでいるある打法にある。

 それは、ボールをバットで捉える瞬間に、下半身をバットを振る方向とは逆にひねるイメージでスイングする。「ツイスト打法」とも呼ばれ、巨人の阿部慎之助選手が取り入れたことでも知られる。守備練習の「シャドー守備」と同様、荒井直樹監督が社会人野球選手時代に実践していた方法だ。

 その狙いについて、荒井監督はこう説明する。「サッカーでシュートするときやラグビーでパスをするときなど、力を出す瞬間には体をひねる動きをすることが多い。打撃にこの動きを取り入れることで、バットを速くコンパクトに出すことができる」

 昨秋の県・関東大会はその効果が出たといえる。

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 「ツイスト打法」は高度な技術を要する。そのため練習方法も独特だ。トスを上げて打つ「ティーバッティング」という打撃練習。通常、トス役は打者の斜め前に立つが、ツイスト打法の練習では、トス役は打者と正対する位置でボールを投げる。打者からみれば真横からボールが来るので、選手たちは「横ティー」と呼んでいる。

 慣れない動きに当初は打撃フォームを崩してしまう選手もいた。秋の県大会で代打で2安打と活躍した市川直之選手(2年)は「初めは腰の動きを意識しすぎて自分のフォームが崩れた」と苦笑する。「でも、冬の間ずっと練習してきたので身についてきた」

 「一つの技術を身につけるためには同じ事を反復することが大切」と荒井監督。今では多くの選手が「ツイスト」を自分のものにしている。【西銘研志郎】

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