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井波律子・評 『俳句世がたり』=小沢信男・著

 (岩波新書・886円)

 二〇一〇年四月から一六年十月まで七十三回にわたり、雑誌に連載されたエッセイをまとめたもの。芭蕉から正岡子規や夏目漱石、久保田万太郎、著者の知友に至るまで、心ひかれた俳句を引きながら、「継起する天下の出来事」についての思いを、洒脱(しゃだつ)にして切れ味鋭い語り口で述べ尽くし、爽快きわまりない。ちなみに、昭和二(一九二七)年東京に生まれた著者には、古今の災禍とかかわる地を訪ね、おびただしい死者の声に耳を傾けながら、埋もれた東京の歴史を掘り起こした名著『東京骨灰紀行』(二〇〇九年刊)がある。

 雑誌連載が始まってからほぼ一年後の二〇一一年三月十一日、東日本大震災、福島原発事故が起こった。これに触発され、以後、災禍による死者の声を聞き取った、『東京骨灰紀行』の著者ならではの、独特の視点に立つ文章が本書の中核を占めるようになる。

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