地球温暖化に懐疑的とされるトランプ米大統領の誕生で、米国内や世界全体での温暖化対策にどんな影響があるのか。最近、米国などの関係者と意見交換した国立環境研究所の亀山康子社会環境システム研究センター副センター長(国際政治)に聞いた。
短期的な混乱と、長期的な方向性とを分けて考える必要がある。短期的には米国内の対策が停滞することは否めない。プルイット環境保護局長官は環境規制に否定的で、オバマ前大統領が進めた火力発電所の二酸化炭素(CO2)排出規制策を白紙にするような発言もしている。
だがそういった流れへの抑制力もある。温暖化に限らず科学を信頼しない政権に科学者が強く反発しており、動きを変えるうねりになり得る。また、かつては党全体が温暖化懐疑派だった共和党内にも温暖化を深刻に受け止める人が増え、炭素税法案を検討する動きさえある。大気浄化法に基づくCO2排出規制など従来の方針を根本的に変えようとすれば議会で新法案を通す必要があり、議会が抑制力になるのではないか。
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