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[西田宗千佳連載]Switchは「任天堂ゲーム機」の総決算(GetNavi web)

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「週刊GetNavi」Vol.52-1

20161022-s3 (11)

 

「大画面」と「持ち運び」の両立を目指した意欲機

3月3日、任天堂は新型ゲーム機、Nintendo Switchを発売する。同社はここ数年、業績が伸び悩んでいる。理由は、主力製品である据え置き型ゲーム機のWii Uがヒットしなかったためだ。ゲーム機の不振をカバーするために、世代交代を進めるのはゲーム市場では常道といえるもので、任天堂の手法もそれに倣うものだ。

 

ただし、ゲーム機の世代交代は簡単なものではない。理由は「数年間同じプラットフォームで戦うこと」と、「その間に最低でも数千万台を売り、魅力的な市場になっていること」が必須であるからだ。リターンも大きいのだが、ある種の賭けであることに違いはない。賭けに勝つためには、「これからどんなゲーム機が魅力的なのか」を正しく見極める必要がある。

 

任天堂がSwitchで狙うのは、主にふたつの要素である。ひとつ目は「どこでも同じゲームが楽しめること」。近年、海外のゲーム業界のトレンドは、任天堂の3DSなど携帯ゲーム機には厳しいものだった。高度なグラフィック表示能力を生かした、規模の大きなゲームをじっくりと楽しむ大人の市場が大きくなっていたからだ。そうした層には、ゲーム用の高性能PCとPlayStation 4(PS4)がマッチした。Wii Uは、ライバルであるPS4やXbox Oneに比べ性能が劣り、高度な処理能力を必要とする同世代のゲームを提供できないことがネックだった。

 

Switchでは、開発にグラフィックチップ大手のNVIDIAが参加し、ライバルに近い世代のグラフィック表現を実現しつつ、テレビにつないで大画面で楽しむことと、持ち運ぶことの両立を目指した。

 

過去のゲームで試みた要素を最新技術で実現

ふたつ目は「コントローラーを重視する」ことだ。Switchのコントローラーである「Joy-Con」は、ワイヤレスで使えるうえに、本体に取り付けて、携帯ゲーム機的に使うこともできる。ゲーム機のアイデンティティは「確実で快適な操作」であり、コントローラーが標準で付いてくることこそ、スマホとの最大の違いでもある。Joy-Conは、一般的な操作はもちろん、Wii譲りのモーションコントロールも備えている。さらに、細かな振動を伝えられる「HD振動」を内蔵し、新しいゲーム開発を狙う。要は、過去に任天堂がゲーム専用機で試みた数々の要素を取り込み、最新テクノロジーによる表現力で実現しようとした「総決算」がSwitch、ということになるだろう。

 

任天堂のゲームは魅力的で、ファンも多い。テレビの前以外でもゲームができる、という要素は、特に日本のファンにはうれしい要素で、そこに「性能」が伴うならいうことなし。とはいうものの、Switchについて、ゲーム業界が熱狂しているのか、というと、残念ながらそうではない。いまのところゲームメーカーの姿勢は「様子見」といった印象。特に海外のメーカーは積極性が薄い。なぜSwitchが諸手を挙げて歓迎される状況にないのか? 任天堂が勝利するならどこがポイントとして評価されることになるか? そのあたりは次回のVol.52-2以降で解説する。

 

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