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社説

森友学園 教育機関と言えるのか

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 果たして教育機関を名乗る資格があるのか。学校法人「森友学園」の実態が明らかになるにつれて疑念が深まる。

     学園が運営する幼稚園の運動会で「安倍(晋三)首相がんばれ。安保法制、国会通過よかったです」などと園児に選手宣誓をさせていた。この映像を見て異様さを感じた人は少なくないはずだ。

     教育基本法は思想が偏らないよう教育の政治的中立を求めている。園児にこうした宣誓をさせることが法を逸脱しているのは明らかだ。

     政治について理解する力が身についていない幼児に、大人の思想を押しつけるのは教育ではなく、まさに洗脳である。

     子供の健全な成長に影響を及ぼしかねない深刻な事態だと受け止めなければならない。

     この幼稚園は教育勅語を園児に暗唱させており、新設予定の小学校でも素読させるとしている。

     明治憲法下の教育理念である教育勅語は忠君と国家への奉仕を求めていた。1948年、「基本的人権を損ない、国際信義に対して疑いを残す」などと衆参両院で排除と失効確認が決議された。公式決議の意味は重く、教育現場での暗唱はふさわしくないはずだ。

     強引に戦前回帰を進めようとする籠池(かごいけ)泰典理事長らの姿勢は時代錯誤と言わざるを得ない。

     学園を監督する大阪府は、教育基本法の趣旨を踏まえた教育内容に改めるよう指導を徹底すべきだ。

     教育以前の問題も相次いでいる。職員に「犬臭い」と非難されるなどの嫌がらせを受けたとして元園児の保護者が損害賠償訴訟を起こした。「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」という差別表現のある文書を保護者に配り、府が事情を聴いたことも明らかになっている。

     学園は4月の小学校開校を予定しており、大阪府の審議会が認可を検討してきた。しかし、申請時から学園の財政状況や教育内容を不安視する意見が多く、「思想教育のよう」と懸念を示した委員もいる。

     大阪府が認可を延期する方向で検討に入ったのは当然だ。学園を巡る疑念を拭い去ることができない限り、認可はすべきではないだろう。

     学園の国有地取得を巡っては政治家に口利きを依頼していた疑いも浮上した。自民党参院議員の鴻池祥肇元防災担当相が理事長夫妻と面談していたことを明らかにした。

     鴻池氏本人は財務省や国土交通省への働きかけを否定している。しかし売却の経緯に不可解な点が多く、国民の関心も極めて高い。安倍内閣として厳格に真相を究明するよう改めて求める。

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