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大切な男の絆 初のノワール

 ホモセクシュアルならぬホモソーシャルな男同士の交流をしみじみと読ませるのが、伊集院静さんの『東京クルージング』(角川書店)だ。多くを語らず、礼節と配慮が行き届き、時に厳しく時にバカバカしくもかわいい男の世界がそこにある。

 思えば『いねむり先生』(2011年)にも、男同士の絆が描かれていた。「先生」こと作家の色川武大さんに出会い、はた目には荒っぽく見えるギャンブル三昧(ざんまい)の生活を通して自身が救済されていく自伝的小説だった。著者はこういう世界をこの上なく大切にしている。

 今回「先生」は自身(作中では伊地知)。先生に出会うのはテレビディレクター三阪。当時ニューヨーク・ヤンキースで活躍していた松井選手に関する番組作りという、幸せな時間を2人は過ごす。しかし失踪した恋人が忘れられない三阪が病に倒れてしまう。友への思いやまず伊地知は哀切を込めて、その女性の物語を紡ぎ出すという構成。巧みな手さばきで夢のような一作を生んだ。

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