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音楽

「昭和歌謡」に再び脚光 昔の曲にひかれる理由

「ディスクユニオン 昭和歌謡館」に並んだ懐かしいレコードの数々=東京都新宿区で2017年2月23日、浜名晋一撮影

 「昭和歌謡」という言葉を耳にする機会が多くなった。専門のレコード店や、それを“売り”にする飲食店もにぎわっている。平成29年の今、なぜ人々は昔の昭和の曲にひかれるのだろうか。【浜名晋一】

店内でレコードを熱心に探すファン=東京都新宿区で2017年2月23日、浜名晋一撮影

レコードの宝庫

 東京・新宿にあるレコード店「ディスクユニオン 昭和歌謡館」はその名の通り、昭和の歌謡曲ばかりを集めた店だ。10坪ほどの狭い店内には懐かしいジャケットのレコードやCD計約3万点が並ぶ。

 店長の杉本博士さん(45)によると、客層は懐かしさにひかれる年配者が多いものの、動画サイトで当時の歌手の映像を見たり、ジャケットをグッズ感覚で楽しんだりする若者も多いという。

 ただ一口に「昭和歌謡」と言ってもジャンルはさまざまだ。演歌、グループサウンズ、フォーク、アイドル歌謡……。杉本さんは「『昭和に出た曲』ということで、人それぞれにイメージがあっていい。みんなにとっての『昭和歌謡』を探してほしい」と話す。

 店では中古レコードの買い取りも行っているが、高値が付く傾向があるのは、発売当時はあまり注目されなかったが、最近になって改めて評価されている歌。一方、人気があるのは、実力派として知られるテレサ・テンや、ちあきなおみのレコードという。杉本さんは「『昭和歌謡』はシンプルで心に残る。現代の曲がサウンド寄りなのに対し、そのメロディーの強さが見直されているのではないか」と語る。

 店内で中古レコードを探していた東京都内のカメラマン、鈴木一浩さん(46)は1980年代の歌謡曲のファン。「レコードのジャケットがいい雰囲気だし、メロディーのクオリティーも高い」と話していた。

週末は大合唱

 「昭和の歌手は歌がうまいね」「キャンディーズはすごい」。新宿の雑居ビルにある「昭和歌謡BAR ヤングマン」の店内では、70~80年代のアイドル歌手の映像が曲と共に流れていた。映像を食い入るように見つめる客の口からは、思わずため息が漏れる。岩崎伸二さん(51)が「ファンの集いの場になれば」と2008年に開業した店だ。

 岩崎さんも子供の頃から歌謡曲のファン。「当時の曲は少し聴いただけで何の曲かすぐに分かる。分かりやすいし、歌いやすい」と語る。週末の夜ともなれば、知らない客同士でも曲に合わせての「大合唱」が始まるという店内。カウンターの隅で一人グラスを傾けていた男性会社員(51)がポツリとつぶやいた。「今の音楽は昔と比べると魅力がないな」。では、何が「昭和歌謡」の魅力なのだろう。

昭和歌謡を語る馬飼野元宏さん=東京都内で2017年2月24日、浜名晋一撮影

「他作自演」で化学反応

 「HOTWAX歌謡曲名曲名盤ガイド」などの著書がある洋泉社月刊「映画秘宝」編集スタッフの馬飼野元宏さん(51)は昭和の曲のうち、フォークなどを除いたいわゆる「歌謡曲」について、「その特徴は人に作詞・作曲してもらった曲を歌うという『他作自演』にある」と定義している。

 「自分で作った曲を自分で歌う『自作自演』は一つのパターンしかできないという限界があるが、『他作自演』は化学反応が起こる。変な曲もできるけど、異常なヒット曲も出る」。馬飼野さんは「70年代まで活躍していたプロの作詞・作曲家がいなくなり、今はそういうことが起きなくなってしまった」と音楽界の現状を嘆く。そして、こう付け加えた。「『昭和歌謡』は平成になってできた言葉。平成になって歌謡曲というものがなくなった。すてきなJポップが出てこない限り、わざわざ昔の曲を聴くということは続くでしょう」

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